北朝鮮 安倍首相は米国追随で日本を危険に陥れるな!

 米国CNNは10月16日、「北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)政府関係者」の話を報じた。北朝鮮は、米国東海岸に到達する大陸間弾道ミサイル(ICBM)が完成するまでは米国との交渉に応じないとしている。

捕虜の人形
「祖国解放戦争勝利記念館」に展示されている朝鮮戦争での米兵の人形(2017年4月12日撮影)

 トランプ大統領の11月5日からの日本・韓国・中国訪問を前に、16日より米韓合同軍事演習が行なわれている。今年になって3回目の、最新兵器を大量に動員した大規模演習である。「演習」といってもそのまま奇襲攻撃に移ることが出来るので、北朝鮮は毎回、強く反発している。

 また10月23日から27日まで、韓国で暮らす米国の民間人を国外へ退避させる「非戦闘員退避活動」が実施される。

 先の北朝鮮政府関係者は、米韓合同軍事演習やトランプ大統領のアジア歴訪中に大気圏核実験やICBM発射を実施する可能性についても言及した。

 日本などのマスメディアは、北朝鮮の核・ミサイル実験を「挑発」とし、米韓合同軍事演習を「牽制」と呼んでいる。だが、どう考えても米韓合同軍事演習も北朝鮮への挑発でしかない。正確に言えば、双方が相手に対して軍事的威嚇をしているのだ。

 そうした米朝だが、非公式のいくつかの接触は行なわれているようだ。「6カ国協議」に参加した関係国で、北朝鮮との対話を放棄して圧力一辺倒なのは日本だけである。現在の危機は米朝対立によるものであるにもかかわらず、安倍政権は米国よりも熱心に「北朝鮮の脅威」を国際社会にアピールしている。

 この行為は日本にとって極めて危険である。米朝での戦闘や戦争が始まったならば、それに対する反撃として「敵国」日本へミサイルが発射される可能性を高めているからだ。

現在の日本の「危機」は安倍首相が、第1次政権の時からコツコツと築いてきたものだ。この米朝危機を機会として、日本の対米追随政策を根本的に転換すべきだ。

放送案内 北朝鮮唯一の残留日本人

 今年8月の14日間にわたる北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)取材のメインテーマだった残留日本人について、テレビ放送の日時が確定した。

荒井さん
取材した荒井琉璃子さん(2017年8月7日撮影)

 北朝鮮に残留する日本人の取材は、3年前に計画して交渉をしてきた。今年4月に咸興(ハムン)市在住の荒井琉璃子さんの存在が明らかになり、いくつかのテレビ局が特集番組制作の計画を進めてきた。そうした中でいち早く、私の単独取材が認められた。歴史の闇に消えようとしていた北朝鮮残留日本人の記録を、かろうじて残すことが出来た。

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テレメンタリー2017
「あの日のりんご ~北朝鮮唯一の残留日本人~」

終戦からずっと北朝鮮で暮らしている日本人女性がいる。荒井琉璃子さん、84歳。残留日本人の多くが高齢化で亡くなる中、唯一、その存在を知られているのが荒井さんだ。今回、特別に許可を得て単独取材を行うことに成功。なぜ荒井さんは帰国できなかったのか。荒井さんの運命を大きく分けたのは、“りんご”だった。現在は、息子と孫夫婦、ひ孫の5人で暮らす荒井さん。「早く国交が正常化してほしい」。国家間の争いに翻弄され続けた一人の女性の人生を追った。
撮影・取材:伊藤孝司/制作:朝日放送

<放送日時>
※放送時間は都合により変更になる場合があります。
=地上波放送=
 テレビ朝日 10月15日日曜日0430~0500
      http://www.tv-asahi.co.jp/telementary/
 北海道テレビ放送(HTB) 10月21日土曜日2530~2600
 青森朝日放送(ABA) 10月16日月曜日2605~2635
 岩手朝日放送(IAT)  10月22日日曜日2615~2645
 東日本放送(KHB) 10月17日火曜日2556~2626
 秋田朝日放送(AAB) 10月21日土曜日2555~2635
 山形テレビ(YTS) 10月14日土曜日2620~2650
 福島放送(KFB) 10月15日日曜日2540~2610
 新潟テレビ21(UX)  10月14日土曜日0520~0550
 長野朝日放送(abn) 10月14日土曜日2600~2630
 静岡朝日テレビ(SATV) 10月16日月曜日2625~2655
 北陸朝日放送(HAB) 10月15日日曜日2615~2645
 メ~テレ 10月19日木曜日0429~0455
 朝日放送(ABC) 10月15日日曜日0455~0525
 広島ホームテレビ(HOME) 10月16日月曜日2625~2655
 山口朝日放送(yab) 10月16日月曜日2541~2611
 瀬戸内海放送(KSB) 10月15日日曜日0550~0620
 愛媛朝日テレビ(eat) 10月20日金曜日0425~0455
 九州朝日放送(KBC) 10月22日日曜日2640~2710
 長崎文化放送(NCC) 10月15日日曜日0450~0520
 熊本朝日放送(KAB) 10月16日月曜日2615~2645
 大分朝日放送(OAB) 10月16日月曜日2615~2645
 鹿児島放送(KKB) 10月15日日曜日0520~0550
 琉球朝日放送(QAB) 10月15日日曜日2535~2605
=CS放送=
 テレ朝チャンネル2 11月24日(火)9:45~10:10

北朝鮮 大気圏核実験の危険性

 9月22日、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の李容浩(リ・ヨンホ)外相は、太平洋で水爆実験を実施する可能性を示唆した。つまり大気圏の内か外、ないしは水中で核実験をするかも知れないというのだ。

閲兵式の歩兵
金日成(キム・イルソン)広場での軍事パレードの歩兵(2017年4月15日撮影)

 これが報じられてから、それをはったりだとする見方が数多く出ているが、そうではない可能性もある。北朝鮮の核・ミサイル開発は、米国による体制保障を得るためのものだが、太平洋での大気圏核実験は今までの地下核実験と比べ米国に与えるインパクトは比較にならないほど大きい。

 米国本土へ届く核兵器搭載ミサイルの完成が近づき、北朝鮮は米国と対等に交渉できる時がきたと判断したようだ。トランプ大統領が就任した今年1月以降、北朝鮮当局者が米国の共和党関係者や政府当局者らとの非公式接触を続けてきた。

 現在、北朝鮮外務省の崔善姫(チェ・ソニ)北米局長が、モスクワでロシア外務省と会談を行なっている。米国との交渉の仲介を依頼していると思われる。これからは米国への核ミサイルでの威嚇をしながら、本格交渉開始に向けて積極的に動くだろう。だがそれが行き詰まれば、大気圏内核実験に踏み切る可能性は高い。

 1945年7月6日、米国が史上初の核実験を行ない、8月6日に広島、9日に長崎に原爆を投下。それ以降、ソ連・英国・フランス・中国・インド・パキスタン、そして北朝鮮が核実験を実施。その数は2379回にもなる。そのうち大気圏内核実験は502回で、1980年の中国の実施から止まっている。

 大気圏内核実験は、大量の放射性降下物(死の灰)を広範囲な地上と海上に振り撒いて放射能汚染を引き起こす。1954年3月1日、米国はマーシャル諸島共和国のビキニ環礁で、「ブラボー」と名付けた水爆実験を実施。日本の漁船856隻が被爆し、「第5福竜丸」の無線長だった久保山愛吉さんが半年後に死亡した。

 こうした大気圏内核実験によって、地球全体が放射能汚染された。福島の原発事故の後に報じられたように、その時に降り注いだプルトニウムが、いまでも測定できるほどだ。検証は難しいが、ガン・心臓病・脳卒中などの成人病が増えたのもその影響が疑わしい。

 人類とすべての生き物の未来のために、これ以上、地球を汚染してはならない。いかなる理由があっても、大気圏での核実験はやめるべきだ。もちろん、少なくても数百万人の命を奪う核戦争には絶対反対である。

北朝鮮への安倍首相の強硬姿勢には目論見が

 国連の安全保障理事会で、9月19日に米国のトランプ大統領は「米国や同盟国の防衛を迫られれば北朝鮮を完全に破壊する」と表明。しかもこれまでは、核実験が中断されれば対話するとしていたにもかかわらず、戦争を望まないなら「非核化」しろとハードルを上げた。

バス停の人々
平壌市内でバスを待つ人々(2017年8月16日撮影)

 そして20日に演説した安倍首相は「必要なのは対話でなく圧力」とし、軍事攻撃も選択肢としている米国の姿勢を「一貫して支持する」とした。日米のトップが超タカ派の姿勢を示したのだ。

 中国とロシアは安保理決議に賛成したものの、軍事攻撃に反対して対話を求めている。またドイツのメルケル首相は、外交的解決のためにあらゆる努力をすると表明。ポーランドなども緊張緩和に向けて動いている。

 米朝が激しく喧嘩しているところへ、トランプ親分の一大事だとして子分の安倍首相が割って入って、親分よりも大声で北朝鮮に噛みついている・・・。このみじめで悲しいほどの米国追随には、大きな理由がある。

 それは安倍首相が、日本の安保理常任理事国入りを目論んでいるからだ。現在の危機は長年の米朝対決の結果であり、日本は当事者ではない。にもかかわらず異常なほどの北朝鮮への徹底的なバッシングをしているのは、国際社会に日本の存在感を示そうとしているのだ。これは、拉致問題への強硬姿勢で首相の座を得たのと同じ手法である。

 自らの利益や目的のために、派手なパフォーマンスをする安倍首相。しかも現在の北朝鮮への強力な敵対姿勢は、日本の安全を大きく脅かしている。

北朝鮮 米国の孤立化圧力に応じず58カ国から196人が祭典に参加

 「週刊金曜日」2017年9月8日号へ掲載した記事を紹介する。

 遠くで聞こえていた若者たちの歌声が、次第に大きくなってきた。軍服に似た制服を着ている100人ほどが、国旗を先頭に隊列を組んで足早に行進して来る。この集団は「高級中学校」3年生による「赤い青年近衛隊」。歌っているのは「人民軍へ行こう」という歌で、自分たちを「朝鮮人民軍」へ入隊させて欲しいとの内容だという。

赤い青年近衛隊
光復(クァンボク)通りを行進する「赤い青年近衛隊」(2017年8月17日撮影)

 これは、米国との軍事的緊張が高まっているため各地で行われているとのこと。「朝鮮労働党」機関紙『労働新聞』電子版(8月12日付)は、347万5000人が入隊・復隊を嘆願したと報じた。

 朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)に、単独取材のため8月5日から18日まで滞在。前回に訪れた4月と同じように、米国との軍事衝突の危機が極めて高まっている中での取材となった。

 実はこの滞在中に軍事的緊張を感じたのは「赤い青年近衛隊」の行進を見た時だけ。首都・平壌(ピョンヤン)だけでなく、地方都市2カ所でも、街に緊張感はまったくなかった。

 それは、韓国と日本にも甚大な被害が出る攻撃に、米国はまだ踏み出せないとの判断なのだろう。また、米国による核攻撃の危機が今までに何度もあり、戦争への覚悟ができているのではないか。

 ただ変化としては、平壌市内を走る車の数が減り、通勤時間帯に必ず起きていた渋滞を見なかった。チャーターした車の運転手に聞くと、ガソリン価格は少し上がっているという。中国税関当局の発表によると、中国から朝鮮へのガソリン輸出量は、前年同月比で6月は30パーセント、7月は97パーセントも減少した。

腕を組む若い男女
腕を組んで歩く若い男女(2017年8月16日撮影)

●圧力の効果は限定的
 8月15日は朝鮮では、日本による朝鮮植民地支配の終焉を記念する「祖国解放記念日」。今年は「金日成(キムイルソン)主席生誕105周年、金正日(キムジョンイル)総書記生誕75周年、金正恩(キムジョンウン)委員長が党・国家の最高指導者となって5周年」という節目の年とされている。

 そのため13日~17日に「第5回白頭山(ペクトゥサン)偉人を讃える国際祭典」としていくつもの行事を開催。「祭典」は平壌市内と白頭山地域で大規模に実施するというもので、私は数カ月前から取材交渉をして許可された。

 この「祭典」に、ネパール・ナイジェリア・ロシア・ウクライナ・デンマーク・エジプトなど海外58カ国から196人の朝鮮と友好関係にある団体・個人が参加。全体的に年配の参加者が多いが、ヨーロッパからは若者が目立った。「祭典国際準備委員会」の名誉委員長は、ネパールの前首相であるマダブ・クマル・ネパール氏が務めた。

 参加人数がもっとも多かった国は日本で、金丸信氏の次男である金丸信吾氏や、元衆議院議員の日森文尋氏、民主党政権で法務大臣を務めた平岡秀夫氏などの17人。そして発表された参加国リストには、朝鮮への制裁を強化している中国と、9月1日からの自国民の朝鮮への渡航禁止を前にした米国の名前はなかった。

 このように参加者の顔ぶれは、金日成主席が積極的に推進した「非同盟運動」によって築かれたアジア・アフリカ・ラテンアメリカとの強い友好関係と、この国を取り巻く現在の厳しい国際状況を反映している。

咸興の内水浴場
平日もにぎわう咸興(ハムフン)の海水浴場(2017年8月7日撮影)

 14日には、白頭山の山頂で集会が開催された。「反帝自主と社会主義の砦である朝鮮を支持する」との「白頭山宣言」を発表。平壌市内では15日に「白頭山偉人を讃える大会」、16日に「朝鮮人民との連帯集会」が開催。これら一連の行事は、金正恩委員長を先の最高指導者2人と同格に位置付けたという大きな意味がある。

 朝鮮の核・ミサイル開発は、米国から体制保障を得るためのものだ。ところが米国はそれを拒否し、朝鮮へさまざまな圧力をかけてきた。朝鮮は現在、国連加盟193カ国のうちの162カ国と国交がある。

 米国はそれらの国に対し、朝鮮との外交と経済関係を断絶・格下げするよう働きかけてきた。ところがそれは功を奏していない。スペインなどが自国駐在の朝鮮外交官の削減を求め、英国が朝鮮駐在大使の召還を発表したが、それは非常に限定的なものだ。

 1945年に朝鮮半島が南北に分断されて以来、朝鮮は自らの存亡をかけて米国と政治的・軍事的に対峙してきた。その「反米・反帝国主義」という朝鮮の姿勢に共感する国や団体が、世界には数多くあるという事実に目を向けるべきだ。
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プロフィール

こだわりジャーナリスト

Author:こだわりジャーナリスト
フリーランスのジャーナリストとして長年にわたりさまざまな取材を行い、数多くのメディアで発表してきました。
海外取材は200回近くで、そのうち北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)へは数十回です。現在、年1~3回の訪朝をしています。
掲載写真は、引用先が非表示のものは筆者撮影です。なお、このブログに掲載している映像と文章は日本の「著作権法」と国際的な著作権条約で保護されており、無断使用はできません。転載を希望される場合は、事前にご連絡ください。

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