北朝鮮 タバコを吸うチンパンジー批判は筋違い

 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の首都・平壌(ピョンヤン)市にある「中央動物園」は7月24日にリニューアルオープンした。かつては見ていて悲しくなるような寂しさだったが、行動展示も取り入れて大きな変貌を遂げた。

中央動物園
「中央動物園」での動物ショー(2016年8月24日撮影)

 そこで飼育されている19歳のチンパンジー「アゼリア」が、タバコを吸っているとAP通信が伝えた。この園内には動物ショーを行う施設もあり、私が8月に取材した時には、入場しようとする市民が行列していた。

 このチンパンジーの喫煙について、日本の民放やインターネット上で数多くのバッシングが行われている。だが、それには大きな違和感がある。

 日本など多くの国で、さまざまな動物を使ってのショーが行われている。日本のほとんどの水族館は、イルカ・オットセイ・シャチなどのショーを目玉にしている。

 「世界動物保護協会」は、世界で55万匹の動物が観光アトラクションで苦しんでいるとする。自然界よりもはるかに大きなストレスが溜り、寿命を縮めている。そのため世界では、動物園や水族館での動物ショーをやめるところが増えている。

 北朝鮮で、動物に芸をさせていることは間違いである。しかし、何の疑問も抱かず動物ショーを続けている日本にはそれを批判する資格はない。昨年5月には「日本動物園水族館協会」が、イルカの入手方法をめぐり「世界動物園水族館協会」から会員資格停止をされている。

 北朝鮮にもあるという問題点を、鬼の首を取ったように報道するのは間違いである。他国を批判する前に、自国がどうなのかを検証するべきだ。

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プロフィール

こだわりジャーナリスト

Author:こだわりジャーナリスト
フリーランスのジャーナリストとして長年にわたりさまざまな取材を行い、数多くのメディアで発表してきました。
海外取材は200回近くで、そのうち北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)へは数十回です。現在、年1~3回の訪朝をしています。
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