北朝鮮で暮らす日本人たち

 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が「日本人調査」のために設置した「特別調査委員会」の構成をみると、日朝関係改善への本気度が伝わってきます。
 北朝鮮で暮らす日本人は、1959年からの帰還事業で北朝鮮へ渡った日本人配偶者の約1800人がもっとも多いと思われます。次に、朝鮮人と結婚していたことで、日本の敗戦後に帰国しなかった残留日本人が1440人。この人たちは、かなり高齢化しています。私は、ある残留日本人女性の消息を調べたところ、健在ではあるものの痴呆症がかなり進み健康状態も良くないことが分かりました。

 拉致をされた可能性がある「特定失踪者」は、全国の警察が捜査を進めている人数は860人にもなります。7月11日、菅義偉官房長官はこの数字を絞り込むとしましたが、北朝鮮に調査を求めた「特定失踪者」はかなりの人数でしょう。
 私はその中に、拉致されたのではなく自らの意思で渡った人がいる可能性もあると思っています。その理由は、料理人の藤本健二さんのように、北朝鮮へ渡って仕事をしている日本人たちがいるからです。もちろんそれは「よど号グループ」の6人は別です。

年賀状
毎年、ある帰国者の女性からは年賀状が送られて来る。

 北朝鮮で、この国以外のアジア人を見かける機会は限られています。ですが、平壌(ピョンヤン)空港や中国と行き来している航空機内では、さまざまな国の人と出会います。大声で話をするのですぐに分かるのは中国人。中朝関係の冷え込みから、団体観光客は大幅に減りました。韓国人は独特の雰囲気がありましたが、南北関係が悪化してからは見かけなくなっています。
 日本人や在日朝鮮人の団体もすぐに分かります。ある時、声をかけた日本人が平壌で働いていると言うので驚きました。家族と会うためにときどき帰国しているそうで、ちょうどその時に出会ったのです。後にこの人から、平壌で暮らす他の日本人たちも紹介されました。

 また、住んでいるのではないものの、頻繁に訪朝している人たちもいます。それは熱烈な「北朝鮮マニア」です。私が出会った若い男性は「女性が優しいので北朝鮮へ来ると癒される」と語り、働いて得たお金をすべて注ぎ込んでいるとのことでした。
 ここで紹介したのは私がたまたま出会った人たちですが、自らの意思によって家族にも告げずに北朝鮮で暮らす日本人たちがいると推測しています。

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プロフィール

こだわりジャーナリスト

Author:こだわりジャーナリスト
フリーランスのジャーナリストとして長年にわたりさまざまな取材を行い、数多くのメディアで発表してきました。
海外取材は200回近くで、そのうち北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)へは数十回です。現在、年1~3回の訪朝をしています。
掲載写真は、引用先が非表示のものは筆者撮影です。なお、このブログに掲載している映像と文章は日本の「著作権法」と国際的な著作権条約で保護されており、無断使用はできません。転載を希望される場合は、事前にご連絡ください。

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