米韓合同軍事演習は北朝鮮への危険な挑発

 朝鮮半島は、大規模戦闘や戦争の危機に瀕している。

祖国解放戦争勝利記念館
平壌(ピョンヤン)にある朝鮮戦争の博物館「祖国解放戦争勝利記念館」(2014年4月30日撮影)

 米国と韓国は3月7日から過去最大規模の合同軍事演習を開始した。韓国軍30万人、米軍1万7000人が参加。そして米軍は原子力空母や原子力潜水艦、核ミサイルを搭載可能なB2ステルス爆撃機や最新鋭のF22ステルス戦闘機などの戦略兵器を投入する。

 また北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の内陸部へ進攻するための上陸作戦の訓練も行なう。そして米韓の特殊部隊が、金正恩(キム・ジョンウン)第一書記などの指導部を殺害したり、核関連施設などを破壊・制圧したりする「作戦計画5015」の訓練も実施するという。

 米日韓などは北朝鮮の「核実験・ミサイル発射」を「挑発」としているが、この米韓合同軍事演習はそれと比較にならないほど大規模な挑発行為である。

 今回の軍事演習は北朝鮮への威圧のためというよりも、体制の軍事的壊滅を目指した準備だろう。それに対して北朝鮮の国防委員会は7日、「先制攻撃的な軍事的対応方式を取る」と表明した。

 毎年実施されてきた米韓合同軍事演習によって、大規模な軍事衝突の危機にたびたび陥ったものの、かろうじて回避されてきた。だが今回は、それらの時と状況が大きく異なる。北朝鮮が核兵器の小型化とその運搬手段を獲得し、国連安保理などの厳しい制裁が発動された直後だからである。

 米国・韓国は、軍事衝突を引き起こす危険性を承知で大規模な軍事演習を実施している。そして日本国内にも、その大規模な軍事衝突に日本も備えるべきとか、拉致被害者の米軍による「救出」を望むといった主張が出てきた。

 大規模戦闘や戦争になれば、北朝鮮だけでなく米国も核兵器を使用する可能性がある。そうなれば、朝鮮半島などで数十万、数百万人が死亡するだろう。日本は、南北の緊張をさらに煽るようなことをするのではなく、根本的解決である米朝対話の場を設けるために動くべきだ。

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こだわりジャーナリスト

Author:こだわりジャーナリスト
フリーランスのジャーナリストとして長年にわたりさまざまな取材を行い、数多くのメディアで発表してきました。
海外取材は200回近くで、そのうち北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)へは数十回です。現在、年1~3回の訪朝をしています。
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