北朝鮮で見たたくさんの木造船

 多くのマスメディアが、日本への木造船の漂着について報じている。10月と11月で11隻にもなり、その船内には25人の遺体があった。この2年間では、175隻の木造船が見つかっているという。

木造漁船
清津港に係留されているたくさんの木造の漁船(2012年8月31日撮影)

 私は北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の清津(チョンジン)港を見下ろす展望台から、港にびっしりと係留された木造の漁船を見たことがある。それらの船の中には、日本へ流れ着いたものとほぼ同じ外観のものがある。

 漂着した船には、国旗の一部が残っていたり「朝鮮人民軍」と書かれた標識があったりするため、北朝鮮からのものばかりなのは確かだ。

 軍隊が漁業をしていることを、経済や食糧事情が悪いためとする報道がある。それは「朝鮮人民軍」についての理解が足りない。この軍隊は戦闘をするためだけのものではなく、農業や漁業による食糧生産や建設作業も行う組織である。

 またどのマスメディアも、船が木造であることや機械設備が古いといったことを強調している。それが一因となって、多くの海難事故が起きているのは残念なことである。

 だが外国が置かれている現状を、日本と単純に比較するのは間違いだ。どの国も政治や経済の状況はさまざまである。それを冷ややかに指摘することに、ごう慢さを感じる。またどの報道にも、亡くなった多くの漁民を悼むという視線がない。

 まだ「大国」である日本がすべきことは、隣国の漁民たちが少しでも安全な漁が出来るように支援することがではないか。

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プロフィール

こだわりジャーナリスト

Author:こだわりジャーナリスト
フリーランスのジャーナリストとして長年にわたりさまざまな取材を行い、数多くのメディアで発表してきました。
海外取材は200回近くで、そのうち北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)へは数十回です。現在、年1~3回の訪朝をしています。
掲載写真は、引用先が非表示のものは筆者撮影です。なお、このブログに掲載している映像と文章は日本の「著作権法」と国際的な著作権条約で保護されており、無断使用はできません。転載を希望される場合は、事前にご連絡ください。

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