平壌・龍山への墓参団は予期せぬチャンス

 日本敗戦時のソ連管理下の朝鮮半島北部で亡くなり、平壌(ピョンヤン)郊外の龍山へ埋葬された人たちの遺族らが、8月13~17日に墓参のために訪朝することになりそうだ。

龍山墓地
龍山墓地で行われた発掘調査(2012年9月7日撮影)

 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の「朝日交流協会」からは15日、朝鮮総連中央本部からは16日に、遺族らでつくる「平壌・龍山会」へ受け入れの連絡があった。

 私は6月下旬に北朝鮮で、「ストックホルム合意」にも関わった日朝交渉関係者から話を聞いている。彼は、個人的意見としながらも次のように述べた。

 「朝日間のやり取りを見てきた者として、関係改善は間違いなく進むと思っていました。ですが、朝鮮総連議長宅への家宅捜索などで大きく状況は変わりました。これで朝日関係は動かなくなると思いました。国民は関係改善にまったく期待しなくなり、日本は叩くしかないと思うようになったのです」

 安倍政権は、日本人拉致被害者に関する報告を最初に出させようと、「圧力」のつもりで朝鮮総連議長の自宅を家宅捜索し次男を逮捕。だがそれは完全に間違った判断だったようだ。「ストックホルム合意」は、愚かな日本側の対応によって風前の灯なのである。

 そうした中で、10回の墓参団を組織した「朝鮮北部地域に残された日本人遺骨の収容と墓参を求める遺族の連絡会」ではなく、2回目の「平壌・龍山会」が墓参に行くことになった。それは、日本と北朝鮮で続いてきたさまざまな動きの結果である。

 「ストックホルム合意」は破綻状況だが、そうした中でこの墓参が実現しようとしている。日朝交渉を継続させるための、日本政府にとって予期せぬチャンスといえよう。

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プロフィール

こだわりジャーナリスト

Author:こだわりジャーナリスト
フリーランスのジャーナリストとして長年にわたりさまざまな取材を行い、数多くのメディアで発表してきました。
海外取材は200回近くで、そのうち北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)へは数十回です。現在、年1~3回の訪朝をしています。
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