北朝鮮も日本の「産業遺産登録」に反対(上)

 「国連教育科学文化機関(ユネスコ)」の諮問機関は、日本の炭鉱・港湾・製鉄所など23カ所を「明治日本の産業革命遺産」として「ユネスコ世界文化遺産登録にふさわしい」と勧告した。

徐正雨 造船所
登録リストにある「三菱長崎造船所」で被爆した徐正雨(ソ・ジュンウ)さん(1984年10月撮影)

 これに対し韓国政府は、強制徴用された合計5万7900人が労働させられた7施設が含まれていると強く批判。中国政府も反発している。

 そして5月20日、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の朝鮮労働党機関紙『労働新聞』はこれについての社説を掲載した。

 「『明治日本の産業革命遺産』には朝鮮人民の血と涙、苦痛がこもっており、それを登録することは人類文明に対する愚弄だ。これは過去の歴史を否定し、日帝の犯罪を美化する策動の一環である」

 「世界遺産」登録といった文化的なことでも日本と周辺国が対立するのは、アジア諸国で行った加害行為を否定しようとする現在の日本の歴史認識に理由がある。

 来月28日からドイツのボンで開かれる「ユネスコの世界遺産委員会」で、登録するかどうかの審査が、日本と韓国を含む21の委員国によって行われる。

 日本政府は韓国以外の委員国を訪問し、登録支持を取り付けようとしている。これは大きな誤りである。強引に登録を受けたとしても、反対している国の反発は続くだろうし、それらの国の観光客はその場所へは行かない。委員国への工作よりも、反対国との話し合いを優先すべきだ。

 日本政府が、朝鮮人を強制的に連行・労働した7施設も登録しようとするのであれば、大きな前提が必要である。
 7施設は、「産業革命遺産」であると同時に「負の遺産」でもあることを明確にする。そしてそれを、さまざまな形で積極的に啓蒙するということである。(続く)

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プロフィール

こだわりジャーナリスト

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フリーランスのジャーナリストとして長年にわたりさまざまな取材を行い、数多くのメディアで発表してきました。
海外取材は200回近くで、そのうち北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)へは数十回です。現在、年1~3回の訪朝をしています。
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