『アリラン峠を越えて』を映画祭で上映

朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)の性奴隷被害者を描いた『アリラン峠を越えて』を、「4・23アクション映画祭 日本軍性奴隷制サバイバーと出会う」で上映します。

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郭金女さん

この映画は、私が企画・撮影・監督しています。韓国の被害女性については、いくつものドキュメンタリー映画が制作されてきました。しかし朝鮮の被害女性への関心は低く、日本や韓国の市民運動もほとんど関心を寄せることもない状況でした。

そのことを危惧した私は、朝鮮の被害女性についての映画を作ることにしました。私が朝鮮で取材した被害女性は14人。その中で、1998年に初めて話を聞いた時に強い衝撃を受けた郭金女(クァク・クムニョ)さんに焦点を当ることにしました。

2003年4月、そのための訪朝の準備をしていた時のこと。「重症急性呼吸器症候群(SARS)」の感染が拡大し、中国からの平壌便は次々と運行停止に。ですが、郭さんの健康状態が悪くなったことを知った私は行くことを決意。朝鮮入国時に10日間の隔離を受けることを覚悟し、最後にウラジオストクから出た平壌便に乗りました。

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郭金女さんの墓と家族

この映画は各地で自主上映会が開催され、多くの方にご覧いただきました。また英語版・朝鮮語版も制作したので、海外のいくつもの映画祭で上映されました。今回の映画祭では、『アリラン峠を越えて』の上映後に私が少し話をします。

郭さんは、2007年6月7日に84歳で亡くなりました。どうしても墓参りをしたいと思った私は、2017年に咸鏡南道(ハムギョンナムド)の端川(タンチョン)まで行きました。その時のようすなどをお話しする予定です。

なおこの映画の予告編をYouTubeで公開しています。
日本語
英語

4・23アクション映画祭
日本軍性奴隷制サバイバーと出会う
2023年4月21日(金)~23日(日)
チケット購入

21日18:15 [受付17:45]
「アリラン峠を越えて」「沈黙の歴史をやぶって」
トークゲスト:伊藤孝司

22日
「葦の歌」「オレの心は負けてない」「金福童」

23日
「太陽がほしい」「沖縄のハルモニ」

(表) 423映画祭
(裏) 423映画祭



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プロフィール

伊藤孝司

Author:伊藤孝司
フリーランスのジャーナリストとして長年にわたりさまざまな取材を行い、数多くのメディアで発表してきました。
海外取材は約200回で、そのうち朝鮮民主主義人民共和国へは40回以上です。現在、年2~3回の訪朝をしています。
掲載写真は、引用先が非表示のものは筆者撮影です。なお、このブログに掲載している映像と文章は日本の「著作権法」と国際的な著作権条約で保護されており、無断使用はできません。転載を希望される場合は、事前にご連絡ください。

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