北朝鮮の「キティちゃん」無断使用に日本は抗議できない

 2014年12月25日、タイ・ルーイ県に「キティリゾート」がオープンした。だが「ハローキティ」の著作権を持つ「サンリオ」は、この施設でのキャラクター使用を許諾しておらず、法的対応を検討しているという。

 TBSは今月16日の「ひるおび!」などで、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)で「キティちゃん」が使われていると報じた。

 それによれば昨年11月、「朝鮮中央テレビ」の放送の中で「キティちゃん」そっくりの絵がプリントされた子ども用の茶碗・皿・などが紹介された。「サンリオ」は、北朝鮮の企業と契約したことはないという。

 だが北朝鮮が「キティちゃん」を無断で使用しても、日本は容認するしかない。この驚くべき事態を招いた責任は、日本の文部科学省にある。

平壌映画祭
「朝鮮映画輸出入社」などが隔年で開催している「平壌国際映画祭」(2004年9月16日撮影)

 2011年12月8日、最高裁判所が北朝鮮の著作物に関する重要な判決を下した。平壌(ピョンヤン)にある「朝鮮映画輸出入社」と北朝鮮映画の日本での配給権を持つ「カナリオ企画」が、北朝鮮映画を無断使用した日本テレビとフジテレビに対し、放送差し止めと損害賠償を求めて提訴。

 日本は1899年に「国際著作権条約(ベルヌ条約)」へ加盟している。原告は、「ベルヌ条約」には北朝鮮も加盟しており、被告には権利義務が発生すると主張した。

 しかし最高裁は、条約の加盟国同士であっても日本が国家として承認していない北朝鮮の著作物に対して保護義務はないとしたのだ。この判決は、文部科学省文化庁が2003年4月に出した見解に沿ったものである。

 最高裁は、北朝鮮への強硬姿勢を続ける政府方針を尊重し、国際条約を軽視した格好だ。

 ところがこの判決により、日本の著作物が保護されない事態が起こる可能性が出てきた。「ベルヌ条約」は相互主義であるため、北朝鮮は日本と同じ措置を取ることができるからだ。

 「キティちゃん」だけでなく、日本の音楽やゲームソフトなどのさまざまな著作物を北朝鮮が無断でコピーし、大量の商品を製造・販売する・・・。そうした事態になっても、何も言えないように日本政府がしてしまったのである。

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プロフィール

こだわりジャーナリスト

Author:こだわりジャーナリスト
フリーランスのジャーナリストとして長年にわたりさまざまな取材を行い、数多くのメディアで発表してきました。
海外取材は200回近くで、そのうち北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)へは数十回です。現在、年1~3回の訪朝をしています。
掲載写真は、引用先が非表示のものは筆者撮影です。なお、このブログに掲載している映像と文章は日本の「著作権法」と国際的な著作権条約で保護されており、無断使用はできません。転載を希望される場合は、事前にご連絡ください。

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