「よど号グループ」が最高裁敗訴でコメント発表

 2月8日の朝、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)で暮らす「よど号グループ(かりの会)」から、私からの要請に応じてコメントが送られてきた。

 「グループ」6人のうち、森順子さん・黒田佐喜子さんは石岡亨さんと松木薫さんを、魚本公博さんは有本恵子さんを朝鮮へ連れ込んだとして警視庁が逮捕状を取り国際手配している。

 容疑をかけられた3人は「逮捕状請求は証拠の裏づけがない」として、警視庁のある東京都に対して損害賠償を求めて東京地裁・高裁、そして最高裁で争ってきた。

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「グループ」が暮らす「日本人村」のアパート(2014年9月24日撮影)

 私たちは2013年4月に「よど号拉致でっち上げ逮捕状」撤回を求め、東京都(警視庁)を被告として魚本公博、森順子、若林佐喜子の三名を原告とする国家賠償請求訴訟を東京地裁に提訴、これまで地裁、高裁いずれも棄却判決を受けましたが、これを不当として昨年秋、最高裁に上告しました。しかしながらこの度最高裁より2月5日付けで上告棄却の決定が下されました。私たちはこれを不当な判決であると考えます。

 現在、私たちは自身の拉致容疑に関して朝鮮の特別調査委員会の調査を受けており、いずれその調査結果が出てきます。にもかかわらず最高裁がそれを待つことなく早々と棄却判決を出したことに私たちは強い疑問を覚えます。

 元よりこの件に関して言えば、えん罪であり、私たちは無実です。調査委員会の調査でそれが実証されるのは確実です。権力乱用による被害を防止するという国家賠償請求というこの訴訟の性格からしても、私たちに対する逮捕状の正否を判断する上で決定的重要性を持つ調査委員会の調査結果を待つというのが司法の常識ではないでしょうか。ところが最高裁は調査結果の発表を目前にして棄却決定の判決を下しました。これははなはだ理解に苦しむことです。

 国家賠償請求という道が閉ざされた今、私たちは新たな法的措置を講じるなど対応を検討中ですが、私たちの無実がさらに明らかになり、「よど号拉致容疑逮捕状(結婚目的誘拐罪)」の不当性が暴かれるであろう有利な情勢に即した積極的な措置を取りたいと考えています。

        2015年 ピョンヤン かりの会


 北朝鮮政府は、ヨーロッパから3人の日本人を平壌(ピョンヤン)へ連れて来たのは自国の特殊機関であると日本政府へ説明しており、「グループ」の関与を明確に否定してきた。

 私の昨年9月の取材でも、「証拠」といえるようなものがないまま森順子さん・黒田佐喜子さん・魚本公博さんへ逮捕状が出されたことが明らかになった(「週刊金曜日」2014年11月7日号に詳細)。

 日朝協議は停滞気味だが、昨年の日朝政府間合意にもとづき「日本人」調査を実施している北朝鮮の「特別調査委員会」の調査結果の発表が待たれる。

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プロフィール

こだわりジャーナリスト

Author:こだわりジャーナリスト
フリーランスのジャーナリストとして長年にわたりさまざまな取材を行い、数多くのメディアで発表してきました。
海外取材は200回近くで、そのうち北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)へは数十回です。現在、年1~3回の訪朝をしています。
掲載写真は、引用先が非表示のものは筆者撮影です。なお、このブログに掲載している映像と文章は日本の「著作権法」と国際的な著作権条約で保護されており、無断使用はできません。転載を希望される場合は、事前にご連絡ください。

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