「よど号グループ」事情聴取の詳細!

朝鮮が日本政府の意向を受けて軌道修正
よど号グループを事情聴取


 朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)の平壌(ピョンヤン)で暮らす「よど号グループ」が、拉致被害者などの日本人調査をしている朝鮮の「特別調査委員会」から、2回にわたって「拉致疑惑」に関する事情聴取を受けた。

 「グループ」が事情聴取の要請を受けたのは11月17日。そして20日午前11時から「調査委員会」事務所で聴取が行われたが、顔合わせをしただけで終了。
 2回目は、26日午前中に「グループ」が暮らす「日本人村」で行われた。その際「グループ」からは、日本での国家賠償請求訴訟の記録・八尾恵証言への反論DVDなどの資料を提出した。
 「よど号グループ」6人のうち、森順子さん・黒田佐喜子さんは石岡亨さんと松木薫さんを、魚本公博さんは有本恵子さんを朝鮮へ連れ込んだとして警視庁が逮捕状を取り国際手配している。朝鮮政府は、自国の特殊機関がこの3人を朝鮮へ連れて来たと日本政府へ説明しており、「グループ」の関与を明確に否定してきた。

 今年5月の「日朝政府間協議」の合意により、朝鮮政府は「特別調査委員会」を7月に発足させ調査を開始。日本政府は拉致被害者の安否確認と帰国だけでなく、拉致事件の真相究明と実行犯の引き渡しも要求していた。今回の事情聴取はそれに応じたものであり、「グループ」の処遇に朝鮮政府は一切関与しないとの今まで立場の軌道修正である。

 12月2日、事情聴取を受けたことについて「グループ」のスポークスマンである若林盛亮さんは次のようにコメントした。
 「私たちは『よど号拉致疑惑』の解明に積極的に協力すると言ってきたので応じた。日朝政府間合意の一環として行われただけで、私たちの引渡しにつながるはずがない」。

 このように楽観的だが、「グループ」リーダーの小西隆裕さんは、今年5月と9月の私の現地インタビューで「朝鮮政府が自分たちを日本へ送還しようとしたら断固として反対する」と繰り返し述べており、危機感を持っていたのは確かだ。
 衆院選後の日本の動向を見極めたところで、「調査委員会」がこの事情聴取を「調査の成果」として出してくる可能性もあるだろう。 
                                (『週刊金曜日』14年12月5日号)

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プロフィール

こだわりジャーナリスト

Author:こだわりジャーナリスト
フリーランスのジャーナリストとして長年にわたりさまざまな取材を行い、数多くのメディアで発表してきました。
海外取材は200回近くで、そのうち北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)へは数十回です。現在、年1~3回の訪朝をしています。
掲載写真は、引用先が非表示のものは筆者撮影です。なお、このブログに掲載している映像と文章は日本の「著作権法」と国際的な著作権条約で保護されており、無断使用はできません。転載を希望される場合は、事前にご連絡ください。

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