「よど号グループ」は北朝鮮追放を覚悟したのか?

 「よど号事件」といっても、若い人には分からないでしょう。1970年3月31日、「共産同赤軍派」の9人が、羽田発・福岡行の日本航空351便(愛称「よど号」)をハイジャックし、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)へ亡命した事件です。
 そのメンバーは、5人がすでに死亡しました。現在、メンバー4人と妻2人が平壌で暮らしているのですが、そのうちの3人が拉致事件への関与を疑われて国際指名手配されています。彼らはハイジャック事件を反省し、そのことで服役することは覚悟しています。しかし、拉致事件で裁かれることを拒否しているため、日本へ戻ることが出来ない状態です。

よど号の4人
左から魚本公博さん・赤木志郎さん・小西隆裕さん・若林盛亮さん(2009年4月13日撮影)

 平壌(ピョンヤン)で暮らす彼らを、私は今までに何度か取材していくつかのマスメディアで発表しています。この5月上旬にも、小西隆裕さんと若林盛亮さんに会いました。その時に彼らは、5月下旬にスウェーデンで開催された日朝政府間協議で合意された拉致被害者などへの再調査という内容を、すでに知っているかのような発言をしました。
 「日朝協議で拉致事件の再調査が決まれば『よど号グループ』について取り上げられる。すでに表明しているが、拉致事件への関与について第3国での日本政府の聴取を受けてもよい」。
 そして「朝鮮政府が、自分たちを日本へ送還しようとしたら断固として反対する」と述べたのです。彼らは今まで、北朝鮮政府が自分たちを送還するようなことは絶対にないと言ってきたので大きな変化です。日朝関係を大きく改善しようとしている金正恩(キム・ジョンウン)第1書記であれば、自分たちの追放を決断する可能性があると思い始めたのでしょうか。

 日朝合意が発表された後、「よど号グループ」からメールが届きました。それには「(自分たちのことが)かなりマスコミで取り上げられるようになり、こちらも多少、驚いています」とありました。今後の日朝政府間でのやり取りの中で、「よど号問題」が大きく動くかも知れません。

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プロフィール

こだわりジャーナリスト

Author:こだわりジャーナリスト
フリーランスのジャーナリストとして長年にわたりさまざまな取材を行い、数多くのメディアで発表してきました。
海外取材は200回近くで、そのうち北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)へは数十回です。現在、年1~3回の訪朝をしています。
掲載写真は、引用先が非表示のものは筆者撮影です。なお、このブログに掲載している映像と文章は日本の「著作権法」と国際的な著作権条約で保護されており、無断使用はできません。転載を希望される場合は、事前にご連絡ください。

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