米朝首脳会談の日に北朝鮮監視衛星を打ち上げた日本

 6月12日の歴史的な米朝首脳会談の共同声明では、「トランプ大統領は北朝鮮への安全保障の提供を決意。金正恩委員長は朝鮮半島の完全な非核化への揺るぎない固い決意を再確認」としている。トランプ大統領はその後の記者会見で、米韓合同軍事演習の中止や拉致問題を提起したとも言及した。

万寿台の銅像
平壌の万寿台(マンスデ)に建つ最高指導者の銅像(2018年3月2日撮影)

 首脳会談の報道をテレビで見ていたら「北朝鮮側の状況について現地からの中継です」と某テレビ局のキャスターが言う。てっきり平壌(ピョンヤン)からだと思ったら、その「現地」とはシンガポールだった。

 実は私は、今日の歴史的な米朝首脳会談を平壌で取材する予定だった。あるテレビのキー局から、その会談を北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の首都で取材して欲しいとの急な依頼があった。

 シンガポールからだけでなく、北朝鮮からも首脳会談についての市民の声などを発信するべきとの話に私は共感。平壌から中継などをするために、北朝鮮へ直ちに申請をした。結局、手続きのための時間がなさすぎるとの理由で実現しなかった。

 雑誌・テレビからの私への協力や取材依頼が続いている。その中には、驚くようなとんでもない企画もある。記者などの、会って話を聞きたいという連絡も多くとても対応できない。米朝関係が大きく変わりつつあるため、日本のマスメディアは北朝鮮報道のスタンスを変えようとしているのだ。

 ところが日本の政府の方は、拉致問題解決のために日朝首脳会談を模索しているというが、とてもそれが本気だとは思えない。今日の午後1時20分に、北朝鮮の核・ミサイル施設を監視するための偵察衛星を種子島宇宙センターから打ち上げた。また6月1日には、北朝鮮からのミサイルへの防衛システムのイージス・アショアを配備する自治体への説明を開始している。

 このように、日本政府の北朝鮮への敵視姿勢はまったく変更されていないのだ。これでは、とても話し合いの環境ではないのは確かだ。安倍首相は異常なまでの強硬姿勢で走り続けてきたため、軌道修正をすることができないようだ。
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プロフィール

こだわりジャーナリスト

Author:こだわりジャーナリスト
フリーランスのジャーナリストとして長年にわたりさまざまな取材を行い、数多くのメディアで発表してきました。
海外取材は200回近くで、そのうち北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)へは数十回です。現在、年1~3回の訪朝をしています。
掲載写真は、引用先が非表示のものは筆者撮影です。なお、このブログに掲載している映像と文章は日本の「著作権法」と国際的な著作権条約で保護されており、無断使用はできません。転載を希望される場合は、事前にご連絡ください。

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