五輪での北朝鮮・韓国の融和を戦争回避へ

 2月9日の「平昌(ピョンチャン)五輪」の開会式は実に感動的だった。北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)と韓国の選手・役員たちが「統一旗」を掲げて合同で入場行進し、アイスホッケー選手2人が聖火をともに運んだ。

祖国統一3大憲章記念塔
平壌(ピョンヤン)市に建つ南北統一のための文書を記念した「祖国統一3大憲章記念塔」(2012年4月11日撮影)

 この日、平壌から航空機で、金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長と金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党宣伝扇動部副部長など北朝鮮の高官級代表団が韓国へ入った。北朝鮮は一足先に「三池淵(サムジヨン)管弦楽団」や応援団などを送り込んでおり、並々ならぬ意気込みだ。

 安倍首相は、韓国政府に「北朝鮮のほほえみ外交に騙されるな」と牽制し、南北融和の動きを懸命に阻止しようとしている。

 米国・トランプ政権は、東アジアで膨大な死傷者が出ることを承知で、北朝鮮への先制攻撃作戦「ブラッディ・ノーズ(鼻血)」を検討している。1月31日の米軍情報誌「ミリタリー・タイムズ」は、米国のヘーゲル元防長官が、米国が限定攻撃を実施した場合、北朝鮮による反撃で全面的な核戦争に発展する懸念が強いと報じた。

 「パラリンピック」が終了すれば、米国は延期している「米韓合同軍事演習」を実施しようとしている。そうすれば危険な緊張状態が戻り、最悪の場合は米国の先制攻撃が行われる可能性がある。

 こうした第2の朝鮮戦争を止めるには、トランプ大統領と安倍首相が語る「北朝鮮への最大限の圧力」ではない。長期の制裁の中で経済発展までさせてきた北朝鮮は、これからも耐え続けるだろう。

 米国の「ジョンズ・ホプキンズ大学」の北朝鮮分析サイト「38ノース」が出した米朝での戦争による被害想定は、最悪の場合の死者は「ソウルで203万人」「東京で180万人」。これには、米軍基地がある他の都市や、北朝鮮での被害が入っていないので、数百万人で済まない可能性は高い。

 戦争以外の選択肢は、南北の融和を米朝対話へとつなげるしかないのだ。日本の政府とマスメディアはこの動きの足を引っ張り続けているが、これ以外の方法があると思っているのか。
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こだわりジャーナリスト

Author:こだわりジャーナリスト
フリーランスのジャーナリストとして長年にわたりさまざまな取材を行い、数多くのメディアで発表してきました。
海外取材は200回近くで、そのうち北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)へは数十回です。現在、年1~3回の訪朝をしています。
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