米朝危機の中で日本の進む道を探る

 1月30日、米国のトランプ大統領が一般教書演説を行い、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)について5分以上にわたって触れた。すぐにでも米本土の脅威になり得る核・弾道ミサイル開発を阻止するため、最大限の圧力をかけ続けるとしている。

祖国解放戦争勝利記念館と新郎新婦
朝鮮戦争の博物館を訪れた新郎新婦(2017年4月12日撮影)

 そして米国の核戦力の近代化と再建の必要性を訴え、戦略核兵器の強化を打ち出した。前のオバマ政権とまったく逆の方向へ進もうというのだ。

 同じ日の「ワシントンポスト」(電子版)は、韓国駐在米大使にビクター・チャ氏を起用する人事案が白紙になったと報じた。チャ氏は、ブッシュ政権(第43代)で、北朝鮮の核についての「6カ国協議」での次席代表を務めた。

 起用されなかったのは、トランプ政権の「国家安全保障会議」が北朝鮮への限定攻撃を検討していることに対し、懸念を示していることが理由だという。

 毎年2月から行われる米韓合同軍事演習は、韓国での平昌(ピョンチャン)五輪の後に延期された。だが終了後に実施されれば一気に緊張が高まり、米軍による先制攻撃の可能性がある。

 こうした米国の動きに対し、安倍政権は完全に支持し追随をしている。米国は北朝鮮との複数の交渉ルートを持っているが、日本は北京の北朝鮮大使館へ抗議文を送ることぐらいしかできないようだ。

 しかも北朝鮮と国交のある国々に、外交・経済関係を断つよう積極的に働きかけている。それは「国連安保理」決議で求めていることでもなく、他国の外交政策に介入するものだ。

 そして何よりも、このような「圧力一辺倒」の極端な政策を続けるならば、その傷痕と恨みは北朝鮮の人々の心にいつまでも残るだろう。日本がかつて行なった植民地支配と同じように、長期にわたって修復ができない。

 また安倍政権は、敵対する国を徹底的に追い詰めることの危険性を、日本の歴史から学んでいない。米国ジョンズ・ホプキンズ大学の北朝鮮分析サイト「38ノース」が出した被害想定は、最悪の場合の死者は「ソウルで203万人」「東京で180万人」というとんでもない数字だ。これには、北朝鮮や日本の他の都市での被害は入っていないので、数百万人で済まない可能性もある。

 東アジアがこうした極めて危険な状況にあることを、自分のこととして正面から受け止めることが必要だ。そのための一助となればと、イベントが予定されている。

第2弾 緊急企画 北朝鮮 もう一つの視点
-日本初公開映像を交え、日本の進む道を探る-
◆日時 2018年2月5日(月) 13:30 - 17:30  13:00開場
◆場所 参議院議員会館講堂(千代田区永田町2−1−1)
◆プログラム
◇講 演 「米朝危機の歴史的経緯と日朝の課題」 伊藤孝司(フォトジャーナリスト)
◇映像上映「廃墟の上に立ち上がった朝鮮(朝鮮戦争での米軍爆撃の記録)
         「米帝侵略軍の武装スパイ船 プエブロ号」(平壌市内の艦内で上映)
◇対 談 「朝鮮映画と日本」 小林正夫(カナリオ企画代表)& 伊藤孝司
◇交流紹介「日本と朝鮮半島の子どもたちの心をつなぐ」
        筒井由紀子(KOREAこどもキャンペーン事務局長)
◇朝鮮半島の平和に向けてのメッセージ
        宇都宮健児(元日弁連会長)
        井筒高雄(VFPジャパン / ベテランズ・フォー・ピース・ジャパン代表)
◆主催 NPO法人世界ヒバクシャ展
◆資料代 1000円(学生は500円)
◆お申し込み フォームhttps://form.os7.biz/f/1dc21f1e/  080-3558-3369
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プロフィール

こだわりジャーナリスト

Author:こだわりジャーナリスト
フリーランスのジャーナリストとして長年にわたりさまざまな取材を行い、数多くのメディアで発表してきました。
海外取材は200回近くで、そのうち北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)へは数十回です。現在、年1~3回の訪朝をしています。
掲載写真は、引用先が非表示のものは筆者撮影です。なお、このブログに掲載している映像と文章は日本の「著作権法」と国際的な著作権条約で保護されており、無断使用はできません。転載を希望される場合は、事前にご連絡ください。

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