北朝鮮への米国の軍事攻撃に反対の声を!

 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)と米国との軍事的緊張は極限状態になった。核・ミサイル実験を繰り返す北朝鮮への新たな制裁として原油供給の停止が焦点となっており、安部首相が米国よりもその推進に積極的だ。

平壌市内の通行人
平壌市内の裏通りを行き来する市民たち(2017年8月16日撮影)

 しかし、原油供給停止という制裁は極めて危険だ。1941年に日本がアジア太平洋戦争へ突入した理由のひとつが、米国による日本への原油の全面輸出禁止だった。

 もし北朝鮮への原油供給が止まったら、農業生産低下による餓死と冬の寒さによる凍死で相当な数の死者が出るだろう。極めて非人道的な措置である。

 トランプ政権はこうした制裁強化だけでなく、北朝鮮の核・ミサイル施設への限定軍事攻撃を真剣に検討しているのは間違いない。

 それに踏み切った場合の北朝鮮による反撃で、米国・韓国・日本の被害がどれだけ出るかを最大の判断基準としていることだろう。1968年の「プエブロ号事件」や1994年の「核危機」などで、米国は北朝鮮への核兵器を含む軍事攻撃を真剣に検討した。ところが、韓国での死亡者数があまりにも多いために攻撃を断念してきた。

 完成しているかどうかはともかく、核兵器とその運搬手段をほぼ獲得した北朝鮮への軍事攻撃は、もはや不可能になったと判断するのが妥当だろう。だが迷走飛行をしているトランプ大統領が、そう思うかどうかは極めて未知数だ。米国の安全のためには、極東アジアで膨大な数のアジア人が死ぬことも仕方ないと判断する可能性がある。

 今の危機は、北朝鮮と米国のチキンレースによるものだ。体制保証を得ようとする北朝鮮が、それに応じなければ核・ミサイルで攻撃するとしているのはグァムや米本土である。日本への威嚇は、安倍政権があまりにもトランプ政権に追随しているためだ。

 こうした危機に陥っているにもかかわらず、日本の中で米国による軍事攻撃に反対する声がほとんど聞こえてこない。米朝対決の状況の中で、米国を批判することは間違いだとでも思っているのだろうか?!

 北朝鮮に対する評価は異なっていても、米国による軍事攻撃に反対する声を直ちに上げるべきだ。ベトナム戦争の際の「殺すな!」というスローガンを再び掲げるべき時がまさに今だ。
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プロフィール

こだわりジャーナリスト

Author:こだわりジャーナリスト
フリーランスのジャーナリストとして長年にわたりさまざまな取材を行い、数多くのメディアで発表してきました。
海外取材は200回近くで、そのうち北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)へは数十回です。現在、年1~3回の訪朝をしています。
掲載写真は、引用先が非表示のものは筆者撮影です。なお、このブログに掲載している映像と文章は日本の「著作権法」と国際的な著作権条約で保護されており、無断使用はできません。転載を希望される場合は、事前にご連絡ください。

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