北朝鮮国民の命はどうでもいいのか

 7月8日、安倍晋三首相はドイツ・ハンブルクで開催された「20カ国・地域首脳会議(G20)」の場で中国の習近平国家主席と会談。その際、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)への制裁として、石油輸出の停止を要請した。これは米国・トランプ大統領が強く主張していることで、首相の発言はそれに追随したものだ。

咸興の通勤通計
咸興(ハムフン)市中心部で自転車通勤する人たち(2017年4月12日撮影)

 北朝鮮は鉱物資源に恵まれているものの、まったく産出できない石油は全量を輸入している。そして、その多くを中国に頼っているのが現状だ。もし、中国が石油供給をすべて止めたならば、北朝鮮は極めて大きな打撃を受ける。

 日本ほど石油に依存した社会構造ではないものの、社会のさまざまな機能が麻痺する。そして何よりも深刻なのは、数十万・数百万の餓死・凍死者が出ることだ。そのことは、1990年代後半に北朝鮮で起きた水害・干ばつでの被害からすれば、容易に推測できる。

 6月21日、石川県の谷本正憲知事は「(地元の)志賀原発を狙う暴挙をするなら、兵糧攻めにして北朝鮮の国民を餓死させなければならない」と発言。これについての報道陣の質問に対して「(北朝鮮)国民が痛みを感じる制裁をしなければ意味がない」と述べた。

 日朝関係は、戦闘・戦争が起きても不思議ではないほど最悪で危険な状態に陥った。責任ある立場の政治家である安倍首相と石川県知事の発言には、北朝鮮国民の命を何とも思っていないことが明確に表れている。「敵国」には、何をしても構わないとでもいうのだろうか。その人権感覚のなさに驚くが、日本がいかに非民主主義国家なのか改めて思い知らされる。

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プロフィール

こだわりジャーナリスト

Author:こだわりジャーナリスト
フリーランスのジャーナリストとして長年にわたりさまざまな取材を行い、数多くのメディアで発表してきました。
海外取材は200回近くで、そのうち北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)へは数十回です。現在、年1~3回の訪朝をしています。
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