北朝鮮 「北風」ではなく「太陽」が必要

 韓国大統領選挙で、最大野党「共に民主党」前代表の文在寅(ムン・ジェイン)氏が当選した。米国・トランプ政権は、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)との対話路線を進めようとする文氏の当選を見越して、その前に北朝鮮への最大限の軍事的圧力を加えていた。

編隊飛行
「金日成(キム・イルソン)主席生誕105年」を祝しての編隊飛行(2017年4月15日撮影)

 そしてトランプ政権は韓国の新大統領就任に合わせ、圧力一辺倒の方針を手直ししようとしている。米国のティラーソン国務長官は5月3日の講演で、北朝鮮が核・ミサイル開発を放棄した場合の約束を公表。この内容は中国にも伝えられたという。

(1)体制転換を求めない
(2)金正恩(キム・ジョンウン)政権崩壊を目指さない
(3)北緯38度線を越えて米軍は侵攻しない
(4)朝鮮半島の再統一を急がない

 ティラーソン提案は一定の評価はできるが、北朝鮮がこれを簡単に受け入れることは考えられない。北朝鮮が核・ミサイル開発を放棄するとしたら、米国から絶対に軍事攻撃を受けない状況が完全に担保されること。そのためには朝鮮戦争の終結と、米国との国交正常化が必要だろう。トランプ大統領が、そこまで踏み込んだ交渉をする決意があるかどうかだ。

 ノルウェーで、北朝鮮外務省で対米交渉を担当する崔善姫(チェ・ソンヒ)米州局長と、米国の民間代表団とが非公式接触を実施。米朝の妥協点を見出すために、重要な役割を果たすかも知れない。

 先に、平壌(ピョンヤン)市内のガソリンスタンドに車の列が出来ているとの報道があった。しかし8日に北朝鮮から帰国した人の話では、そのような状況はなかったという。「ガソリン供給が止まる」という風評が一時的に流れたのかも知れない。

 北朝鮮に対する制裁は確実に強化されつつあるが、私が4月中旬に見た平壌や地方都市のようすからすれば、まだまだ持ちこたえることが出来るだろう。軍事力や制裁の強化といった「北風政策」ではなく「太陽政策」でなければ、北朝鮮との緊張緩和が進まないのは確かだ。

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プロフィール

こだわりジャーナリスト

Author:こだわりジャーナリスト
フリーランスのジャーナリストとして長年にわたりさまざまな取材を行い、数多くのメディアで発表してきました。
海外取材は200回近くで、そのうち北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)へは数十回です。現在、年1~3回の訪朝をしています。
掲載写真は、引用先が非表示のものは筆者撮影です。なお、このブログに掲載している映像と文章は日本の「著作権法」と国際的な著作権条約で保護されており、無断使用はできません。転載を希望される場合は、事前にご連絡ください。

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