オバマ大統領は韓国・朝鮮人被爆者と会って謝罪を

 5月27日に広島を訪問するオバマ大統領は、原爆投下への謝罪をしないことを繰り返し表明している。これに対して、さまざまな批判の声が上がっている。

 23日には、映画監督のオリバー・ストーン氏や言語学者のノーム・チョムスキー氏ら米国の有識者約70人は、オバマ大統領の謝罪拒否の方針を再考するよう促す書簡を大統領に送付した。多くの被爆者と面会することも求めている。

韓国人被爆者慰霊碑
広島平和公園内の「韓国人原爆犠牲者慰霊碑」

 「韓国原爆被害者協会」は会員らを日本へ送り、 26日夕方から広島平和公園内の「韓国人原爆犠牲者慰霊碑」の前でアピール行動を行う。

 日本で暮らす朝鮮人被爆者らで組織する「朝鮮人被爆者協議会」の関係者は24日、次のように語った。

 「オバマ大統領の広島訪問は、発言と行動を見て評価したい。核廃絶が進まない原因は米国にある。2009年のプラハ演説から何も進んでいない。朝鮮人を含む被爆者と会って謝罪して欲しい」

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オバマ大統領広島訪問 北朝鮮は非難、韓国人被爆者は謝罪要求

 オバマ大統領は「主要7カ国首脳会議」後の5月27日に、現職の米国大統領として初めて広島を訪れる。

 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の「労働新聞」は14日、オバマ大統領の広島訪問を「核の犯罪者としての正体を隠すため」との論評を掲載。そして「朝鮮半島と世界を核戦争へと追いこもうとしている米国が核軍縮を唱えるのは、偽善と破廉恥の極み」と非難した。

釜山の被爆者たち
韓国・釜山(プサン)の被爆者たち(1997年4月撮影)

 広島・長崎で被爆し韓国で暮らす被爆者の団体「韓国原爆被害者協会」はオバマ氏へ、広島の平和公園内の「韓国人原爆犠牲者慰霊碑」訪問と、韓国人被爆者への謝罪・補償を求める手紙を送る。

 また韓国政府は、オバマ大統領が韓国人の慰霊碑にも献花するのが望ましいという意見を、外交チャネルを通じて米国側に伝えたという。

 米国が投下した原爆により広島で約42万人、長崎で約27万人が被爆。その中には広島で約5万人、長崎で約2万人の朝鮮人がいた。被爆者の約1割が朝鮮人だったのである。

 私は1980年代から、日本だけでなく韓国・北朝鮮などで多くの被爆者を取材してきた。その人たちの今も続く苦しみ、怒りと悲しみを聞く中で、被爆者に対して米国は謝罪をする必要があると強く思った。これほどの大量殺りく兵器の使用は、どれほど歳月が過ぎようとも語り継がれる極めて非人道的な行為だからである。

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北朝鮮 「労働党」大会での非核化表明の背景とは?

 「朝鮮労働党第7回大会」 2日目の5月7日、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が「事業総括」を行った。その中には、注目すべき内容がある。

「三大革命展示館」のロケット模型
「三大革命展示館」に展示されているロケットの模型(2013年6月12日撮影)

 「わが党と共和国政府は、米国によって強要されている核戦争の危険を強力で威力ある核抑止力に依拠して根源的に終息させ、地域と世界の平和を守り抜くための闘争を力強く展開していくであろう。責任ある核保有国として、侵略的な敵対勢力が核でわれわれの自主権を侵害しない限り、すでに闡明した通りに先に核兵器を使用せず、国際社会に担った核不拡散義務を誠実に履行し、世界の非核化を実現するために努力するであろう」

 「核抑止力」として核兵器を保有するもののそれを先に使用することはなく、 「非核化」に努力するというのだ。これは今までにも言われてきたことだが、 36年ぶりの党大会で最高指導者が表明したことには重要な意味がある。

 1991年12月、金日成(キム・イルソン)主席と韓国の盧泰愚(ノ・テウ)大統領が、核兵器の製造・保有・配備を禁止するとした「朝鮮半島非核化宣言」を行った。朝鮮半島の非核化は、金日成主席の遺訓となっているのだ。

 今回の党大会での「非核化」表明は、「建国の父」である金日成主席が定めたこの国の基本路線を改めて指し示そうとしたものだ。

 また日本について「事業総括」では、「朝鮮半島に対する再侵略野望を捨て、我が民族に対して働いた過去の罪悪を反省して謝罪すべきであり、統一を妨害してはならない」としている。

 そして「自主性を志向するすべての国と民族は、帝国主義者の狡猾(こうかつ)な二面術策と欺まん的な『援助』にいかなる期待や幻想も抱いてはならず、主体性と民族性を守り抜かなければならない」としている。

 北朝鮮は、国際社会からの「人道支援」「経済支援」を受け続けたことにより、それへの依存体質になってしまった。それから脱却し、自立した経済建設を目指そうということだろう。

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北朝鮮 「朝鮮労働党」創立大会が開催された日本建築

 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)で5月6日から「朝鮮労働党第7回大会」が開催される。それに向けて続けられてきた「70日戦闘」が終了。水力発電所が完工したり、多くの事業所で目標を突破したりしたという。
 党大会の参加者らは、各地から列車で平壌へ到着したという。中国やロシアなどの外国代表団は招かれていないようだが、すでに外国メディアは現地からレポートを送っている。

党創立事績館と案内人
「党創立事績館」の正面と案内人(2009年10月9日撮影)

 北朝鮮には、日本による植民地支配時代の建物がわずかではあるものの残っている。首都・平壌(ピョンヤン)の中心部には「党創立事績館」がある。外国人が訪れることはほとんどないが、この国にとって重要な「革命史跡」である。

 この建物は、植民地時代に 平安南道(ピョンヤンナムド)の商工会議所として建設された。解放直後の1945年10月10日、この建物の2階 ホールで「朝鮮労働党」の前身である「朝鮮共産党」の創立大会が開かれた。そしてしばらくの間、金日成(キム・イルソン)氏はこの建物を事務所とした。

 朝鮮戦争において米国は50万トンもの爆弾を投下。この「党創立事績館」も一部を焼失たが修復され、1970年10月に公開された。館内には執務室や応接室、ホールが当時のままで残されている。そして裏に回ると、日本の古い民家風の部屋がある。日当たりが良く、居心地が良さそうだ。

党創立事績館の日本家屋
「党創立事績館」裏の日本式家屋(2009年10月9日撮影)

 私が見てきた北朝鮮に残る日本の建築物のほとんどは、金日成主席に関わる「革命史跡」で、今も大切に修復・保存されている。

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プロフィール

こだわりジャーナリスト

Author:こだわりジャーナリスト
フリーランスのジャーナリストとして長年にわたりさまざまな取材を行い、数多くのメディアで発表してきました。
海外取材は200回近くで、そのうち北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)へは数十回です。現在、年1~3回の訪朝をしています。
掲載写真は、引用先が非表示のものは筆者撮影です。なお、このブログに掲載している映像と文章は日本の「著作権法」と国際的な著作権条約で保護されており、無断使用はできません。転載を希望される場合は、事前にご連絡ください。

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