北朝鮮は大干ばつか? 水田を撮影!

 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の首都・平壌(ピョンヤン)では、「東平壌火力発電所」の稼動や、2012年の「煕川(ヒチョン)水力発電所」からの送電などにより、電力事情は確実に良くなってきた。

 ところが今年6月の取材で、停電が増えていることを実感した。地方都市だけでなく平壌のアパートでも、小さなソーラーパネルを窓に置いている家が目につくようになった。

 それだけでなく、上水の供給状況も悪くなっている。それは、平壌でのビル建設ラッシュにインフラ整備が追いついていないことが大きいが、最大の原因は水不足である。北朝鮮メディアは「100年に1度の大干ばつ」に襲われていると報道している。どのダム湖も干上がっている状況なのだ。

2015年6月の水田
水を満たした咸鏡北道鏡城(キョンソン)郡の水田(2015年6月26日撮影)

 6月の取材では、地方での水事情のついても気をつけていた。清津(チョンジン)市と羅先(ラソン)特別市のホテルでは断水もなく、時間は限られているもののお湯も供給された。また、どの水田にも水が満たされていた。

 羅先特別市で案内してくれた「人民委員会」の担当者に聞くと「咸鏡北道(ハンギョンブクド)や咸鏡南道(ハンギョンナムド)では水不足はない。起きているのは黄海北道(ファンヘブクド)や黄海南道(ファンヘナムド)など」とのことだった。

 地球温暖化による異常気象によって、北朝鮮でも水害と干ばつに襲われるようになった。北朝鮮での今年の大干ばつは、地域によってかなりの差があるようだ。

e_04.gif

これが平壌の地方議会選挙会場

 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)で7月19日に地方議会の代議員選挙が実施された。代議員の任期は4年。金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の体制になってから初めて行われた。

6月9日高級中学校
代議員選挙の投票所の一つとなった「平壌6月9日竜北(リョンブ)高級中学校」(2015年6月29日撮影)

 北朝鮮での選挙は、事実上の信任投票になっているという。


投票所看板
「平壌6月9日竜北高級中学校」の投票所の標識(2015年6月29日撮影)

e_04.gif

平壌・龍山への墓参団は予期せぬチャンス

 日本敗戦時のソ連管理下の朝鮮半島北部で亡くなり、平壌(ピョンヤン)郊外の龍山へ埋葬された人たちの遺族らが、8月13~17日に墓参のために訪朝することになりそうだ。

龍山墓地
龍山墓地で行われた発掘調査(2012年9月7日撮影)

 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の「朝日交流協会」からは15日、朝鮮総連中央本部からは16日に、遺族らでつくる「平壌・龍山会」へ受け入れの連絡があった。

 私は6月下旬に北朝鮮で、「ストックホルム合意」にも関わった日朝交渉関係者から話を聞いている。彼は、個人的意見としながらも次のように述べた。

 「朝日間のやり取りを見てきた者として、関係改善は間違いなく進むと思っていました。ですが、朝鮮総連議長宅への家宅捜索などで大きく状況は変わりました。これで朝日関係は動かなくなると思いました。国民は関係改善にまったく期待しなくなり、日本は叩くしかないと思うようになったのです」

 安倍政権は、日本人拉致被害者に関する報告を最初に出させようと、「圧力」のつもりで朝鮮総連議長の自宅を家宅捜索し次男を逮捕。だがそれは完全に間違った判断だったようだ。「ストックホルム合意」は、愚かな日本側の対応によって風前の灯なのである。

 そうした中で、10回の墓参団を組織した「朝鮮北部地域に残された日本人遺骨の収容と墓参を求める遺族の連絡会」ではなく、2回目の「平壌・龍山会」が墓参に行くことになった。それは、日本と北朝鮮で続いてきたさまざまな動きの結果である。

 「ストックホルム合意」は破綻状況だが、そうした中でこの墓参が実現しようとしている。日朝交渉を継続させるための、日本政府にとって予期せぬチャンスといえよう。

e_04.gif

北朝鮮各地で15日間の単独取材を敢行!

 6月15日~30日まで、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の平壌(ピョンヤン)・清津(チョンジン)・羅先(ラソン)などで、単独取材を行いました。

平壌空港第2ターミナル
7月1日から営業を開始した平壌空港第2ターミナル(2015年6月16日撮影)

ロシア料理店のボルシチ
羅先市のロシア料理店のボルシチ(2015年6月22日撮影)

 この取材は、いくつかのメディアで発表する予定です。当ブログなどで事前にお知らせします。

e_04.gif
広告
広告
広告
プロフィール

こだわりジャーナリスト

Author:こだわりジャーナリスト
フリーランスのジャーナリストとして長年にわたりさまざまな取材を行い、数多くのメディアで発表してきました。
海外取材は200回近くで、そのうち北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)へは数十回です。現在、年1~3回の訪朝をしています。
掲載写真は、引用先が非表示のものは筆者撮影です。なお、このブログに掲載している映像と文章は日本の「著作権法」と国際的な著作権条約で保護されており、無断使用はできません。転載を希望される場合は、事前にご連絡ください。

最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文: