政府訪朝団、「よど号」と会わずに帰国

 日本政府の実務者チームは、30日午前10時30分に平壌(ピョンヤン)を出発して帰国しました。私は、日本政府関係者が「よど号グループ」に接触する可能性は低いものの、まったく否定できないと思い、若林さんへ連絡を取ってみました。

車を運転する若林さん
車を運転する若林さん(2014年9月30日撮影)

 結局、日本政府関係者とは会うどころか、連絡もなかったそうです。「今回の訪朝目的からして当然だと思います」と若林さんはコメントしました。拉致被害者・「行方不明者などの「日本人」調査がある程度進まないと、「よど号グループ」への日本政府による聴取は行われないのかも知れません。

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動くか?「よど号グループ」帰国問題

 『週刊金曜日』2014年10月31日号と11月7日号に「ハイジャック事件から44年の『よど号グループ』」と題し、記事と写真を各号4ページで掲載します。31日号は「平壌の『日本人村』を全面公開」、7日号は「ヨーロッパ日本人『拉致疑惑』に答える」との副題をつけています。
 「よど号グループ」が、取材の受け入れを連絡してきたのは7月下旬。それから取材に出る9月下旬まで、冷房を効かせた仕事部屋にこもり、「よど号」に関する大量の書籍や資料を徹底的に読み込みました。そのため、今年は“夏”を感じることがありませんでした。

よど号グループ学習会
「よど号グループ」は毎週1回、学習会を行ってきた(9月29日撮影)

 この取材は何年も前から交渉していたということもありますが、「よど号グループ」の6人は実に協力的でした。朝鮮側へ返還した部分では制約があったものの「日本人村」の中はビデオカメラでも撮影ができましたし、インタビューでは「何でも聞いてくれ」ということで9時間にも及んだほどです。『週刊金曜日』だけではとても発表し切れません。

 拉致被害者など「日本人調査」の現状把握のため訪朝している日本政府の実務者チームは、30日に帰国して安倍首相に報告をします。今後の日朝交渉の進展具合によっては、「よど号グループ」の帰国問題は大きく動くかも知れません。

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北朝鮮に残る「よど号」グループを取材

 この1カ月間に、韓国1回、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)へ2回行きました。その中で特筆すべきは、「よど号」グループを取材できたことです。彼らが長年にわたって暮らしてきた平壌(ピョンヤン)郊外の「日本人村」を徹底取材し、ヨーロッパでの日本人拉致疑惑について長時間のインタビューをしました。

食事するよど号グループ
「日本人村」の食堂で食事をする「よど号」グループ(2014年9月29日撮影)

 私が「よど号」グループと最初に会ったのは1992年。それ以降、何度か取材をおこない『週刊現代』などに発表。ですが、それらの取材で明らかに出来なかった“謎”の部分がありました。それは、長年にわたってグループが暮らしてきた「日本人村」での生活の実態と、ヨーロッパから3人の日本人を朝鮮へ連れて行ったのではという疑惑についてです。
 今回の取材を実現させるため、長年にわたって交渉を続けてきました。今年5月の日朝政府間協議による合意によって、拉致被害者を含む「日本人調査」が実施されることになりました。「よど号」グループが置かれた状況が大きく変化したことなどで、私の希望を全面的に受け入れるとの連絡があったのです。そのため、「日本人村」に9月23日から29日まで取材者として滞在し、予定通りの取材を実現させました。

 この取材は、すでに10月9日のテレビ東京系列のニュース番組「アンサー」で放送。10月20日(月)放送のテレビ東京系列「未来世紀ジパング」(22:00~)では、「ニュースが伝えない北朝鮮のいま」が放送されます。その中での「よど号」グループについてのVTR部分は、9月におこなった取材によるものです。

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プロフィール

こだわりジャーナリスト

Author:こだわりジャーナリスト
フリーランスのジャーナリストとして長年にわたりさまざまな取材を行い、数多くのメディアで発表してきました。
海外取材は200回近くで、そのうち北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)へは数十回です。現在、年1~3回の訪朝をしています。
掲載写真は、引用先が非表示のものは筆者撮影です。なお、このブログに掲載している映像と文章は日本の「著作権法」と国際的な著作権条約で保護されており、無断使用はできません。転載を希望される場合は、事前にご連絡ください。

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