北朝鮮 平壌で見たピカチュウ

 7月22日から日本でもスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」の配信が始まった。まだサービスが開始されていない韓国でも、軍事境界線に近い束草(ソクチョ)などでは利用できる。

 北朝鮮と韓国の境界は北緯3 8度線だったが、朝鮮戦争によって軍事境界線に代わった。その位置は、東側地域では38度線より北側にある。このゲームはGPSを使用しているため、38度線以北を韓国ではない地域として設定されているようだ。

 つまり北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)でも、「ポケモンGO」ができる状態にあると思われる。だだし、インターネットに接続できるスマートフォンが必要である。

 取材のために平壌(ピョンヤン)市内の帰国者の自宅へ行くと、居間に置かれたピアノの上にピカチュウがいた。

ピカチュウ
帰国者が大切にしているピカチュウ(2009年4月16日撮影)

 これは帰国者の女性が、日本にいる母親から送ってもらったものだという。大切に飾られているピカチュウから、会うことのできない母親への思いが伝わってきた。

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米韓合同軍事演習は北朝鮮への危険な挑発

 朝鮮半島は、大規模戦闘や戦争の危機に瀕している。

祖国解放戦争勝利記念館
平壌(ピョンヤン)にある朝鮮戦争の博物館「祖国解放戦争勝利記念館」(2014年4月30日撮影)

 米国と韓国は3月7日から過去最大規模の合同軍事演習を開始した。韓国軍30万人、米軍1万7000人が参加。そして米軍は原子力空母や原子力潜水艦、核ミサイルを搭載可能なB2ステルス爆撃機や最新鋭のF22ステルス戦闘機などの戦略兵器を投入する。

 また北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の内陸部へ進攻するための上陸作戦の訓練も行なう。そして米韓の特殊部隊が、金正恩(キム・ジョンウン)第一書記などの指導部を殺害したり、核関連施設などを破壊・制圧したりする「作戦計画5015」の訓練も実施するという。

 米日韓などは北朝鮮の「核実験・ミサイル発射」を「挑発」としているが、この米韓合同軍事演習はそれと比較にならないほど大規模な挑発行為である。

 今回の軍事演習は北朝鮮への威圧のためというよりも、体制の軍事的壊滅を目指した準備だろう。それに対して北朝鮮の国防委員会は7日、「先制攻撃的な軍事的対応方式を取る」と表明した。

 毎年実施されてきた米韓合同軍事演習によって、大規模な軍事衝突の危機にたびたび陥ったものの、かろうじて回避されてきた。だが今回は、それらの時と状況が大きく異なる。北朝鮮が核兵器の小型化とその運搬手段を獲得し、国連安保理などの厳しい制裁が発動された直後だからである。

 米国・韓国は、軍事衝突を引き起こす危険性を承知で大規模な軍事演習を実施している。そして日本国内にも、その大規模な軍事衝突に日本も備えるべきとか、拉致被害者の米軍による「救出」を望むといった主張が出てきた。

 大規模戦闘や戦争になれば、北朝鮮だけでなく米国も核兵器を使用する可能性がある。そうなれば、朝鮮半島などで数十万、数百万人が死亡するだろう。日本は、南北の緊張をさらに煽るようなことをするのではなく、根本的解決である米朝対話の場を設けるために動くべきだ。

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北朝鮮と韓国の「祖国解放70周年」

 今年は日本による朝鮮植民地支配の終焉から70年。北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)と韓国では祖国解放70周年である。

「解放70年」の看板
平壌市内の47階建てアパートの前に掲げられた「祖国解放70周年」の看板(2015年6月27日撮影)

「70周年」 記念切手
北朝鮮で発行された解放70周年の記念切手。日本政府の経済制裁により、日本へ持ち帰ると「外為法」違反となるため平壌で複写した(2015年6月27日撮影)

 6月の北朝鮮での取材に続き、8月15日の「光復節」を韓国で6日間にわたって取材した。

 南北は、共同での記念行事が実現しなかったばかりか、非武装地帯での地雷爆発事件や、北朝鮮の8月15日より標準時を30分遅らせる措置などで、最悪な状況に置かれている。


大極旗の風車
ソウル市中心部の多くのビルの壁面には巨大な大極旗が張られた(2015年8月12日撮影)

 そうした中で韓国では、政府・民間でさまざまな記念行事が行われた。ソウルだけでなく、地方都市でも街の中にはあきれるほど大量の大極旗が飾られた。

水曜デモ
日本大使館前の路上で行われた集会(2015年8月12日撮影)

 12日には、ソウルの日本大使館前で日本軍性奴隷被害者3人が参加し「水曜デモ」が行われた。主催者発表で2500人が参加。その多くが、グループで参加した若者たちである。小学生たちもステージに上がった。

 韓国では、性奴隷被害者が日本に謝罪と補償を求めていることへの関心と支持が非常に高い。これは韓国のいかなる政権でも、無視することは出来ない。日本政府が日韓関係を改善しようとするならば、この問題での根本的解決が不可欠であることを痛感した。

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北朝鮮と韓国の戦争記念館はそっくり

 同じ民族同士で戦った朝鮮戦争の記念館が、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)と韓国の双方の首都にあります。今年4月に平壌(ピョンヤン)の「祖国解放戦争勝利記念館」を見たこともあり、ソウルにある「戦争記念館」をどうしても見たくなりました。

韓国戦争記念館軍艦
ソウルの「戦争記念館」の軍艦(2014年9月10日撮影)

 ひとことで言うと、体制がまったく異なるにも関わらず、この二つの記念館はコンセプトがそっくりなのです。超豪華で巨大な展示館があり、その前には軍艦から航空機や戦車などの大型兵器が、これでどうだ!というほどたくさん並ぶ。そして戦う兵士らの大きなブロンズ像が置かれている。8月16日のこのブログに掲載した平壌での写真と比較してみてください。

 これは偶然でも、どちらかが真似たということでもないでしょう。南北合わせて70回以上も取材に行き、それぞれの社会を細かく観察してきた私としては、これは“民族性”によるものだと思います。南北分断から来年で70年。同民族なので当然のことですが、まったく異なる社会体制が長期にわたって続いてきたにもかかわらず、物事の捉え方や考え方は同じなのです。戦争で“敵”に勝利したという記念館までが、同じ発想で創られているとは・・・。これは悲しい現実です。

韓国戦争記念館兵士像
「戦争記念館」の戦う兵士のモニュメント(2014年9月10日撮影)

 9月19日のメディア各社の報道によれば、北朝鮮による拉致被害者を含む「日本人調査」の第1回報告が、大幅に遅れそうです。日朝の水面下での交渉で、北朝鮮が求める「万景峰92号」日本入港などの制裁解除追加について合意できなかったことが原因のようです。そもそも「調査は1年程度」とされているにもかかわらず、マスメディアが煽ったこともあり、日本側はあまりにも最初の報告に期待し過ぎていました。
 私は、日朝関係の変化に振り回されることなく、両国間に横たわる諸問題についてマイペースで取材を続けていきます。時にはスクープを狙いながらも・・・。

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プロフィール

こだわりジャーナリスト

Author:こだわりジャーナリスト
フリーランスのジャーナリストとして長年にわたりさまざまな取材を行い、数多くのメディアで発表してきました。
海外取材は200回近くで、そのうち北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)へは数十回です。現在、年1~3回の訪朝をしています。
掲載写真は、引用先が非表示のものは筆者撮影です。なお、このブログに掲載している映像と文章は日本の「著作権法」と国際的な著作権条約で保護されており、無断使用はできません。転載を希望される場合は、事前にご連絡ください。

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